情事の後、彼女はいつも僕より遅く眠る。

眠っているのかさえ、本当は僕には分からないけれど。

ただ、僕が眠ってしまうのは…彼女の温もりがあるからなんだ。

だけど彼女にはきっと、触れて欲しくないことがある。

僕は聞きたいよ。
話してほしい。

でも、僕は本当はもっとずっと純粋で、臆病なんだ。

だからきっと、みやびさんを支えるだけの器量は無い。

純粋で臆病な僕が、みやびさんの元に居ても、意味が無いんだと。

そんなことは、分かりきったことで。

それでも『さよなら』を云うには悲し過ぎて。

僕はもう、這い出せない泥沼に落ち込んでいるみたいだ。