ガチャ
｢久しぶりね、直…っ、!？｣
ドサッ
｢ど、どうしたの？直…？｣
やっと…やっと来てくれた。
僕は躯の赴くままに、彼女を抱きしめた。
その柔らかい胸に、僕は沈んで行く。
彼女は僕の、強く熱い抱擁に、されるがままになっていた。
みやびさんの細くて綺麗な指が、僕の首筋にあたる。
ゆっくり顔をあげると、彼女はその指で、僕の目尻をクイッとあげた。
｢……泣いてないわね｣
その一言が、至極寂しく聞こえた。
｢みやびさん……｣
どうしてたの？
僕と会わない間に、どんな男と交わったの？
いつも通り、聞きたいことは山ほどある。
だけど…君を困らせたくない。
君を手に入れるのは無理でも、失うのは嫌だから。
