また眠ってしまった僕は、朝起きて…メモを見た。

“また来るわ。今度は少しでもゆっくりしたいわね”

彼女は仕事があるのだろう。

必ず情事を終えたら、先に出て行く。

ただ…

今日もまた、男をその手で…………

自分の躯で………喜ばせるの?

僕は、自分の中に湧き出たこの醜い感情に、嫌気がさした。

みやびさんに『綺麗な名』と云われたから、それに見合う僕で居たい。

「みやびさんっ……」

いつの間にか、狂おしいほど彼女を愛してしまっている僕には…この情事の香りが残る自分の部屋は…とても息苦しかった。