「――はぁ……」


誰も居ない静まり返った更衣室の中で、雪詩の小さく吐いた溜め息が、大きく耳にこだました。


―――炉惟さん、元気ですか?―――



更衣室に小さく開いた窓の外に見える、青い空を見上げていると、ボンヤリと涙が滲んできた。



「……あぃたぃよ……。」


胸が張り裂けそうになる気持ちを必死でこらえて、言葉に託した――



2度と会えないと分かっていても、私の中で貴方でいっぱいになっているんだよ。