ー友広Sideー

僕の横を横切ろうとしている梨亜の足首を掴んでしまった。

どうしよう。
足首とか掴むんじゃなかった…。

友『待ってよ。僕、君の名前教えてもらってないよ。』

本当は知ってるよ。

梨『あたしの名前なんか知ってどうするんですか?』
梨亜は掴まれた足首を離そうとしている。

友『どうにもならないけど、僕の名前を教えたんだから君の名前も教えなきゃ。』


梨亜…本当に思い出せない?
僕の事。

梨『笹野 梨亜。早く足首離してくださいよ。』

友『あと、佐藤さんて言うのもやめて。友広でいい。』




まぁ、また一からやり直そうかな…。

梨『いいじゃないですか。もう会わないんですし。』

ずっしりと「会わない」と言う言葉が僕にのしかかる。


梨亜…。お願いだから…。
僕の名前を呼んで?

梨亜…。



ー友広Sideー-END-