「何だか変な感じだね…。
夢斗くん、あの頃と全然変わってない。
あれから、どうしてたの?」
「瞳ちゃん……
俺…迎えにきたんだけど、
それは逢いにきただけなんだ…。」
えっ…
どういうこと…?
「夢斗…くん?」
「俺、彼女いるんだ……」
それって、
約束守れないってこと…?
「彼女…?
じゃあ、何で私に逢いに来たの…?
約束、したよね??
迎えに来た時、幸せにしてくれるって……」
「……うん。
ほんとゴメン…。
その彼女、俺と別れたら死ぬって……
俺が守ってやらないといけないんだ…。」
そんなの…ずるいよ…。
私、何年待ってたの?
あなただけを待ってたのに…。
「最低。
なら、私に逢いにきたりしないでよ!!
変に期待しちゃったじゃん…。
ずっと待ってたのに…。
もう、二度と逢わない…。
今なら私も引き返せるから。」
そう言って私は走って屋上を出た。
「瞳ちゃん…っ!!」
自然と、諦めがついた。
それはきっと、今逢ったばっかりだから。
大丈夫。
私は夢斗くんがいなくても、やっていけるもん。