少しの間があった。 「・・・・・・彼方。 彼方はいま好きな人いる?」 ・・・・・・・・え。 ドキッとして不自然に、 「は!?」 と言った。 外からでは、ミーンミーンと蝉がうるさいほどに鳴いていたけど、俺の耳には入ってこなかった。