「…おい、陸斗!早くこっち来て手伝えよ!」
「…おぉ。悪い悪い。」
1人、物思いに耽っている陸斗に海斗は声を掛けると、陸斗は腰を上げ笑顔で返事をした。
「…パパぁ~玲奈お腹減ったよぉ。」
「…もうちょっと待っててな。」
バーベキューセットを前に、待ちきれない様子の玲奈に、海斗は微笑みながら頭を撫でた。
「…何か手伝おうか?」
「いいよ、由奈は座ってて。」
「(笑)海斗パパ優しいな~!
…来月予定でしょ?
由奈ちゃんはあんまり無理しないで♪」
何か手伝う事はないかという由奈を、心配する海斗に陸斗はからかうように言った。
「うん♪でも、手伝い位は出来るよ?」
「…ダメ…座ってて。」
来月2人目の出産を予定している由奈の身体を、本人以上に心配している海斗は静かに言った。
「…はぁい(笑)玲奈、ママとお喋りしてよう♪」
「うん♪」
不器用ながらも自分の身体を心配してくれる海斗に、由奈は嬉しそうに返事をした。
海斗と由奈は長い交際をえて、結婚5年目を迎えていた。
4才になる娘の玲奈と、もう直ぐ産まれる予定のお腹の子…
海斗は幸せだった。