‐10年後‐
【 陸斗へ
陸斗は本当に、真っ直ぐで不器用で…いつも喧嘩ばっかりだった。
でも、喧嘩の後はいつも2人で笑い合ってたよね。
きぃが悲しみや幸せを感じる事は、必ず陸斗との事で…
やっぱり…陸斗がいたから、きぃがいたんだと思う。
初めて出会ったのは、記憶がない位に小さい頃で…
でも、きぃが陸斗を好きになる事は、最初から決まっていた事のような気がするんだ。
陸斗と出会って、悲しみや辛い事も沢山あった…
陸斗と出会わなければ…
こんな気持ちなんて、最初から知らなければ…
そう思った事も何度もある。
でも、出会えてなかったら不幸せだったよね…
幸せを感じる事が出来なかったよね。
…出会えて良かった。
陸斗…愛しています。
今までも…
これからもずっと。
瑛奈より
P.S きぃは陸斗をいつまでもずっと待っています。 】
あの日から10年後の同じ日…
成長した陸斗は、ポケットからシワクチャになった手紙を取り出すと、いつもの海で砂浜の上に座り、昔に瑛奈がくれた手紙を読んでいた…
何度この手紙を読み返しただろう?
でも、何故かこの手紙を読む度に、幸せな気持ちになれるんだ。