‐数日後‐
「…陸斗…もうずっと、きぃの目には何も映らないのかな?」
「…ッ手術すれば大丈夫だよ!」
いつものようにお見舞いに来ていた陸斗に、瑛奈は悲しそうに不安を口にした。
「…でも
…手術しても元に戻らないかもしれないって言ってた。
…ッそしたら…もう一生見れないんだよ?
…ッあの海も
…陸斗の顔も。」
「…ッ瑛奈…」
不安そうに涙を流す瑛奈に、陸斗は言葉を詰まらせた。
“ギュッ”
「…ッ陸斗…怖いよッ…」
「…ッ大丈夫だよ。
俺の顔が見れなくても…
俺は瑛奈の傍にいつもいるから。
…ッ瑛奈が空や海を見たくなったり
…瑛奈の見たいモノは全部
…俺が代わりに見てやる。」
不安から涙を止める事が出来ずにいる瑛奈に、陸斗は優しく抱き締めながら、でも力強く言ったんだ。
もし、瑛奈に光が戻らなくても…
“俺が瑛奈の光になってやる”
こう…
陸斗は言いたかったのかもしれない。