‐数十分後‐
「あっ私、そろそろお先に失礼しますね♪」
「え~?桜井もう帰っちゃうの?まだいいじゃん♪」
「バカ!!瑛奈は彼氏とデートなんだから、引き留めないのッ!」
「(笑)スイマセン。じゃあ、また来年に部活で☆…よいお年を♪」
『よいお年を~♪』
残念そうにする男子部員達に女子部員が渇を入れると、みんなに見送られながら瑛奈はその場を後にした。
「…ッ桜井!」
「…駒井先輩??どうしたんですか?」
店を出て歩きだした瑛奈を、駒井は息を切らして追いかけてきた。
「…これ。気に入るか分からないけど。」
「え?そんなッ私何も用意してないし…それに…」
駒井はポケットから小さな包みを取り出すと瑛奈に差し出した。
「…大丈夫だよ…部活のみんなに買った物だから。
それにそんなに高い物じゃないから……受け取ってよ。」
「あっはい。ありがとうございます♪」
瑛奈の言葉を見透かしたように駒井は話を途切ると、受け取りやすい口実をつけた。
「…また来年部活でな☆」
「はい、また来年もお願いします♪」
少しの間雑談すると、瑛奈は足早に陸斗との待ち合わせ場所へ急いだ。