以前、この公園で、蓮が言っていたように。


バレるのは、確実に時間の問題だ。


「補欠」


あたしは、ごくっと息をのんだ。


「あのさ、補欠」


言わなきゃ。


今、言わなきゃ。


あたしは、緊張していた。


額から、ひとつぶの汗がつるりと落ちた。


「どうした?」


何も知らない補欠は、いつもと同じ静かな口調で聞いてきた。


「あのな……あのさ」


どもるなんてあたしらしくないな、と自分で呆れる。


けれど、どもってしまうほど、緊張していた。


ばっくんばっくん、心臓がジャンプして吐き気がした。


「なんだよ、気持ち悪いから早く言えよ」


補欠が不思議そうな面持ちであたしを見て来る。


言わなきゃ。


それは分かってんだけど。


でも、何から、どう説明すりゃいいのか。


「うん。そうなんだけどな」


ここは笑って、明るく告白するべきか。


いやあ、病気になっちまった!


脳腫瘍でさ、手術しなきゃならん!


でも、大丈夫だから、って。


「だから、早く言えって」


「うん、だから、その、あれだ」