さぁ話してもらおうか。



「誰に?」

「1年のサッカー部の藤井君…」

「なんで振らなかった?」

「1週間後に転校するから思い出だけでも欲しいって言われて…」



普通それでも振るだろ…。



同情してんじゃねぇよ…。



「二股?」

「違うっ!!彼氏いるってちゃんと言ったし…」

「じゃあなに?」

「1日デートするだけ…です…」



バカじゃねぇの。



俺の気持ちなんか全然考えてねぇんじゃん…。



「それなら俺も遊んでくる」

「えっ…」

「今どんな気持ち?」

「絶対イヤ…」

「俺も同じ気持ち。わかる?」



3回ほど首を縦に振ったユナからは悲しみのオーラが漏れ出してる。



やめろ、その顔。



俺は昔からユナの悲しい顔に弱いんだから。



「断れる?」

「うん…」

「ハァ~…。わかった、行ってこい…」

「でもっ…」

「ユナはどこにも行かないって信じてるから。だから行け。その代わり1日だけだからな」

「悠ちゃん…」



なんで男と遊ぶの公認してんの、俺は…。