すげー嬉しくなって、それと同時に安心して。



琴里には絶対幸せになってもらいたいから…。



「伝言ありがとうって、伝えといて」

「わかった。じゃあね」



気分がいい。



気持ちが軽い。



その足で向かった1年の教室。



「夏川先輩じゃ~ん」

「久しぶり、倉市。ユナは?」

「さっきまでいたと思ったけど…。鞄あるからまだどっかにいんじゃね?」

「待ってよ~」

「ってかさ、先輩、かわいい人いねぇ?そろそろ人恋しいんだけど~…」



倉市とどうでもいい話をしてたらユナがやってきて。



俺を見た瞬間に目が泳いだ。



すげー怪しいから。



昔からユナはウソが下手。



そしてかなり分かりやすい。



「なにあったか言えねぇ?」

「な、なにも…ないよ…?」

「あっそ。帰んぞ」



隠し事なんか嬉しくもねぇのに。



俺が気づいてるのに言わないとか、マジでない。



いつもは学校から出たら手を繋ぐのに、今日は繋いでやらない。



ユナが悪い。