東方に、古より続く薬師の一族――『久遠の花』と呼ばれし一族がいた。

 あらゆる動植物に通じる彼らは、不老不死さえも叶えると、人々に信じられていた。

 不老不死。
 その言葉に魅せられ、いつの時代も『久遠の花』を我が物にしようという輩は現れた。

 しかし、常に『久遠の花』の隣には、『守り葉』と呼ばれし者たちがいた。
 一族を守るためだけに存在し、その力をふるう。
 『久遠の花』を奪おうとした者は、『守り葉』によって痛手を負い、二度と手を出そうとはしなかった。

 誰も『久遠の花』を手折った者はいない。

 今までは――。