ガラガラ…―。 「あっ、優也先輩だ。どうしよう帰ってきたよ」 「えっ? 本当だ」 「ねぇ、香織。 声かけてみてよ。お願い」 みなみちゃんの頬は赤に染まっていた。 「うん…―。分かった」 本当は私の特別な時間と空間―――。 優兄との時間とこの部屋の距離は、誰にも邪魔なんてしてほしくない。 だけど、私には言う権利なんて無いんだ。 私は優兄の妹だからね。 それ以上にも、以下にもならない。