しばらく2人で話ながら歩いて行くと、運悪く信号が赤になってしまった。


ここの信号は本当に長い。優兄荷物重くないかなと気にしていると……


「あっそうだ。香織、俺のポケット見てみ?」


「えっ、ポケット?」


なんだろうと思いながら、優兄のポケットを探ると………


「あっ、これ―――――」


そこには、私が昔から大好きなお菓子が入っていた。


「香織その菓子好きだろ?」


「うん。よく覚えてたね」

「さっき偶然見つけてな。どう?覚えてた俺すごい?」

無邪気に笑う優兄。

その笑顔は昔から変わってないんだ。



「ありがとう」


私がそう言ったところで、信号が青に変わった。