そっと……、
あたしは温もりに包まれた。





「堪える必要なんかない。泣きたいときに泣け。……ずっと、傍に居るから」





ギュッとあたしを抱き締め、優しく声をかける庄野。





胸が高鳴り、心に響くその声は傷を癒してくれる、唯一の薬なのかもしれない。





「雰囲気壊して悪いけど、早く行くべ!」


「あぁ。ごめん……ハル」





なんで、謝るん?
めっちゃ温かかった。
もっと……もっと温めてほしい
って思ったんやで。
謝られたら…悲しくなるやん。





でもな、
ハルって呼んでくれたから、
抱き締められた以上に心が温まった。