「おい、アキー。お前、アキくんとか呼ばれてんのかよ」


「くんってキャラじゃねーだろー」



冷やかしのような声を出すのは、つなぎを着た、20~25歳くらいの男の人たち。



「うるさいですよ!」


「アキ、顔赤ない?」



耳に入った、関西弁。



声を出した人を見ると、あたしと同じか、1、2歳年上の男の人だった。



小麦色の肌に、濃い茶色の髪。
耳につけた、赤いピアスが印象的だった。



「この人ら、俺の兄ちゃんの仕事仲間。ちなみに、兄ちゃんは奥座ってる赤茶色の髪の人な」


「そうなんや。…ほな、あたしバイト中やから」



あたしは軽く会釈し、隣の個室に行った。