自分が壁を作ってることは分かってた。 殻に閉じこもってんのも分かってた。 せやけど、どうしようも無かった。 何をするにも、怖くて、前に進めへんかった。 ゼロからスタートしたいけど、そんな勇気はなかった。 「アキトスペシャール!」 大きなアキの声に我に返り、あたしは彼を見た。 アキはサンドイッチにたまごパン、ドーナツ、ピロシキを挟み込み、食べようとしていた。 アホやろ…。