私の両親は、私が幼い頃に離婚した。
父親は女遊びが激しく、母親はそんな父に呆れて別れた。

私は、両親が離婚した後、母親についてきた。



しかし、そんな母から…今、再婚の話を持ちかけられている。

『…は?』
「だ か ら!!再婚よ、再婚。いい人見つけたの」
『ふぅん?ま、別に良いんじゃない?』
「あら、何も言わないの…」

緩く巻いた髪を弄りながら、母が驚いた様子で見てきた。

『私には関係ないし。それに、母さんの好きな人なら良いんじゃない?』
「そうね~。あ、じゃあ…」

カレンダーを見ながら、母がフフっと笑う。

「明後日…連れて来て良いかしら?」
『明後日…………………走るんだけど』
「あらま。ダメじゃない、15歳なのに運転なんて」
『自分もやってたクセに、よく言うよ』

そう…。穏和な雰囲気からはとても想像つかないが、私の母は、零の13代目総長だったのだ。
当時は負け無しの喧嘩番長だったらしい。

そんな母が遺伝し、私は零の26代目総長だ。

「走るって…何時頃から?」
『さぁ…?23:30からかな』
「了解。じゃあそれまでに連れて来るわ」
『ん』

私はリビングを出て階段を上り、自分の部屋に入るなりベッドにダイブした。

『明日の用意はした。風呂も入った。よし、完璧』

携帯を開き、時間を見る。

『よし、寝よう』

こうして夜は更けていった。