「愛さん。」
「阿木さん?どうしたの?」
かわらず優しさを向ける彼女…だけど、その優しさが辛い。
「あなたは優しすぎます。私に対しても、誰に対しても…何故、邪魔と言わないのですか?婚約者や家柄ぐらいでー邪魔するなっと、」
「言えないよ?だって、私と紫輝先輩は…釣り合ってない…違いすぎる。平凡な私と選ばれた先輩…それに阿木さん。二人は美男美女でお似合いだもん。」
「…選ばれた紫輝さんに選ばれたのは愛さんです。私は選ばれなかった…よりも、眼中にもないって感じでしたわ。」
「うそ…」
本当に自信がない方。
「本当ですわ。だから…愛さん…もっと自信を持って下さいっ………て、私が偉そうに言うことじゃありませんけど。」
「………………」
「明日、私の家でホームパーティーをします。本当に仲の良い方ばかり集まる小さなパーティーです…絶対に来て下さい。」
「………私が?」
「えぇ、紫輝さんも…お二人で絶対ですよ?」
「…はいっ!」
その笑顔があれば大丈夫、と私は思った。彼女の笑顔には、優しさが溢れてて…私の汚く醜い心をとかして下さってる…気がした。