手に入らないと、分かった瞬間、どうしても欲しくなる。それは人間だから…いや、今まで欲しいものを与えられて育ってきた私たちだから……



「でも…私はそれだけじゃありません。」


「…なにが？」


「紫輝さんを好きな理由です…私は、……あなたを……本当に……好きだから…です。…初めて見た瞬間から……会った瞬間から…私の中は……あなたで……いっぱいです。……あなたしか……いないんです。」


「……………」


「愛さんと……いえ、お二人の邪魔はしないと……いいました……だけど、……もし、お二人が……上手くいってない……もし、愛さんが……紫輝さんを……そんな悲しい顔にさせるなら……」


「……………」

「私はあなたを無理矢理奪います…だって、紫輝さんに幸せになって欲しいから。」

「…あんたは俺を幸せに出来んの？」

「はいっ、絶対に…」


私が言い切ると、紫輝さんはお腹を抱えて笑い出した。本当に可笑しそうに……