「あんたは、これからかわればいいよ。気づいたんだから。紫輝のことだって…二人を邪魔しなかったらいいから……な。」


「………はい」


思いがけない優しい言葉に、また涙が出そうになった……


「じゃあな。」

「ありがとうございます!」


マンションの前まで送っていただき、私はエレベーターに乗り………


家の鍵を開けようとした…


「バカっ!!!」


??


そう思ったら、隣の部屋から勢いよく飛び出してきた愛さん…


「………っ」


泣いてる?


「愛さん?」

「阿木さん…っ、あなたなんて…っ………ひっく………羨ましい……っ、あなたが……あなたがっ……」


そう言いながら泣き崩れた愛さん…


私が羨ましい?どうして?

「っ、何やってんだよ。バカ野郎。早く中入れ、」


部屋から出てきた紫輝さんは、愛さんを引っ張る…けど、愛さんはイヤイヤと首を振るだけ……


「あのっ…」

「あんたには関係ねぇから…」

「あるよっ!!紫輝先輩、ちゃんとっ…言わ………なきゃ………っ………」

「お前はバカか!いいから入るぞ、」

「っ………ひっ……」

「ごめん、」

「いえ…」


何が起こったのか、わからない…嵐のような出来事。