「あいつを絶対に泣かせたくない……大事なんだよ……あいつが…愛が……」

「……………」

「あいつを…泣かせたくない。…あいつを……幸せにしたいだけなんだ…」

「大丈夫………です。」

「は?なにが大丈夫なんだよ。」

「私は…紫輝さんが…好きです……だけど、紫輝さんの幸せを…潰したりしません。……でも、私を好きになって頂く努力は……怠りませんよ?」

「変な奴…だけど、あなたを好きになんてならない。諦めろ。俺を好きな限り…あんたとは話せない、相手できない…これが最後。」

そう言い放ち…紫輝さんは…応接室から出て行った。


私……もう、話せないの?


あの笑顔をもっと、近くで見たかった…紫輝さんに名前を呼ばれたかった…優しく好きだと言ってほしかった……


そんな願いは叶わないのですか?願ってはいけないの?



「…っ……」


こんなに愛おしいのに…この気持ちは捨てなければいけないの?


そんなこと……できない。


できたら、ここにいない。