「まだ16だろ?親に洗脳されすぎ。それに俺は好きな奴がいるし、そいつと結婚したい。だからあんたはムリ。」
洗脳?好きな女性?
ムリ…
「っ…………」
「泣くなよ…」
そぅ、言われても涙は止まらなくて…紫輝さんはずっと側にいてくれた。
落ち着き…二人で小さなカフェに入った。
振袖姿の私とスーツの紫輝さんはすごく周りの方の注目を浴びた。
「……私……ずっと、両親の言う通りに……生きて……きました。」
「うん。」
「両親が笑顔だから…正しいことだと思い……ずっと…その通りでした。」
「で?」
「……結婚も……その通りで……幸せになれると…思っていましたの。」
「違うだろ。」
紫輝さんは酷く疲れた顔。
だけど、私は話しつづけた。