「綾瀬くん、中におっさんでもはいってんの?」





女子生徒がにやにやしながら話しかけてきた。





「ち、ちがいますよ。ていうか、あと一人はまだみたいですね」





綾瀬くんが無理矢理話題を変えると、





「あぁ、あと一人は……えっと、綾瀬くんが会長で、あたしと海野くんが」





「へっ?」





突然海野くんが女子生徒のほうを見た。





「ん? どーした海野くん」





「え……あっ、いや、なんでも、ない」





海野くんは、恥ずかしそうに目を逸らした。




「……? まあいいや。で、あたしと海野くんが副会長で、西沢……あ、あそこのチビのことね」





彼女が「チビ」という単語を発した途端、




「先輩、訴えますよ」





あの鋭い目つきの男子がこちらを睨んだ。が、





「あいつが会計。だから残りの一人は書記ね」





女子生徒は彼をまったく気にせず話した。