「書記……」





綾瀬くんが呟いたそのとき、





「すみませーん、遅れました!」





元気のいい声と共に、扉がガラッと勢いよく開いた。





その大きな音に驚き、綾瀬くんたちは一斉にそちらを向いた。





そこには一人の女子生徒が立っていた。





おかっぱ頭に、丈の長いスカート、そして丸めがね。





一昔前からタイムスリップしてきたような風貌だが、その姿はちっとも地味には思えず、それどころかなぜか活き活きとして見えた。





「すみません、廊下に立ってます!」





「い、いや、立たなくていいですから!」





綾瀬くんは扉を閉めようとした彼女を慌てて止めた。





「ええと、君が書記の……」





「はい! 一年の森見です」





こうして、生徒会のメンバーが全員集まったのだった。