「…ありがとうございました。失礼します。」

校長室の扉を静かにしめる。あたし、桜田玲は高校2年12月20日退学処分となった。
原因は飲酒、校則違反。一度ではなく、二度三度つづいたため私立S高等学校を退学。
校門を出ると頬を冷たい水が流れた。雨?いや、空は真っ青だ。また流れる。

それは涙だった。

知らないうちに涙を流していた。あたしも卒業を楽しみにしていたし修学旅行だってまだ行っていない。なにより辛いのは心友たちと離れてしまうことだった。

『ねぇ、こんな時間にどうしたのー?サボりー?』

2人のギャルっぽい男ども。汚い。そんなに顔を近づけるな…。

『一緒に行こうよー!』

「ちょ・ちょっと!」

男どもは腕をぐいぐい引っ張って行く。
やっぱり男の力だ。全然かなわないッ…

「今あたし、そんな気分じゃないんだってば!」

『抵抗するなんてかーわいい♡』

話を聞こうともしない。
このままだと…ッ

『おい!いやがってんだろ!放してやれよ!』

えっ、誰?こんな昼間にスーツを着て街中にいるなんて。
サラリーマンがさぼってんのか?

『あぁん?この子は俺らと遊びたいっていってんだよ。な!』

同意を求めてくる男ども。即行に大きく首を振る。

『ほら。嫌がってんじゃん。』
『てめぇ…!』

男どもはとにかく、こいつ喧嘩強いのか?
つかその格好で戦えるのか?