今日は完全下校の為か、学校は静まりかえっていた。



夕方のような、柔らかいオレンジ色の光が廊下に反射している。
現在時刻4時近く。まだ、門は開いているか心配だった。


完全下校、つまり部活もないわけで。

私はバレーボールのマネージャーをやっている。千緒に薦められ、特にやりたいのがなかった私はそれに入ったのだ。元々、喘息やら過呼吸やらで、運動部ならそれくらいしかできない。



それと、クッキング部をマネージャーを始めた後からやりはじめた。



男子バレーボールにしたら?とか言われたこともあったが、汗臭いので回避。
男子は苦手だし、女子でも黄色い声ばかりあげる人は苦手だった。




「あんさー、遠桜って知ってるー?」
「あー、地味な仔でしょ?んで、学級委員の」





歩いている足をはやめていたら、階段に座り込み話し合う女子がいた。



私の、話をしている。




嫌な感じがしたが、通りすぎるのは気まずいし、少し気になったから隠れて聞いてみることにした。