放課後になった。

「れ、麗、大丈夫?」

私は掃除のため、月宮に門のところで待っていて、と言っておいた。

しかし、今日一日疲れた。
ずっと、月宮の隣。私と正反対の性格に姿。
女子だったら良かったのに。

苦手な男子と苦手な脚光を、たくさん浴びた。
散々だ。

(白露にやっぱ会いたかったなあ)

もう一度、溜め息をしてから、箒を壁にかけた。


「ちょっとトイレ」
「ん?分かったあ」

トイレへと駆け出して、一室に入った。
ポケットから、サイレントモードにしている携帯を取り出して開く。
パールピンク色の携帯だ。



ーー新着メール 1通




何だろう、と思って開くと、白露からだった。



『from 白露
やっほ(*´∀`*)
そろそろ学校終わる頃かな?掃除?
今、ちょっと暇なんだよね』

返信しようと思って編集画面を開いた。
私のHNは麗愛の麗を変換した“黎”だ。

『from 黎
転入生来たけど、男の子だったよ……。
あーあ、期待して損した!
中学、白露何処に行ったの?』

送ってから、メールが着たのが10分前くらいと気づいた。気づいたところで、既に送信してしまっていた。

だが、わりに返信はすぐ来る。

『from 白露
男の子?どんな子?

んー、秘密☆☆
じゃっさ、今度off会やろーよ!色々会って喋りたいし』

『from 黎
不良……かな…、怖いけど、まだよく分からない。

off会ですとな!!?
うん、是非是非!やろ!』

『from 白露
いつがいい?
私は七月中……、今月中が良いな』

『from 黎
あ、じゃぁ、……15日は?』

15日は日曜日だ。今日は10日だから、5日後である。