「だから何て書いたんすか~~~!教えてくださいよ!!安心してくださいよ!!パクリませんて!!」

「パクるから聞いてくんだろ。」

図星をつく一言を俺に言い放ち、ミー先輩が窓から外に出て行く。俺はそのミー先輩の後ろ姿を黙って見てることしかできなかった。




事の発端は、今から10時間前に遡る。
集会所の1日は、朝8時から始まり、翌日の朝3時に終わる。だから俺は、今日もいつも通り、五月蝿い目覚まし時計の音で、朝8時に起床し、眠たい目を擦りながらベッドから起き上がった。
………じゃない。起き上がろうとした。

「おはよ~うザー君☆」

 ズシリと重たい身体に違和感を覚えながら、ゆっくりと目を開ける。最も、目を開ける前に誰がいるのかは、すぐに分かった。この世で俺のことを「ザー君」なんて、変なあだ名で呼ぶ人なんて1人しかいない。カーテン越しに差し込まれる朝日の他に、俺の目に飛び込んできたのは……やっぱり。ニャンコ先輩の姿だ。

「……何やってんすか」

「起こしに来たよーん」


「……じゃなくて、何で俺の上に乗るんすか」


 ニャンコ先輩がニヤリと笑う。何か嫌な予感がする。





「知・り・た・い?」

 そう言いながら、ニャンコ先輩は俺に顔を近づけ、唇を尖らしてきた。俺は彼女のその行動で、完全に目が覚め、慌てて両腕で、彼女が顔に着けている猫のお面を掴み、俺から離した。

「間に合ってます!!」

「照れ屋だな~ザー君はぁ~♪」


 何が面白いのか…クスクスと笑いながら、ニャンコ先輩は、やっとベッドから下りてくれた。俺は安心したのと、疲れたの2つで溜め息をつき、ベッドから身体を起こした。すると、その時ちょうど夜中に自分でセットしておいた目覚まし時計が鳴り響いた。五月蝿い目覚まし音を止め、時計の針に目を移す。……8時ジャストだ。

「ニャンコ先輩のせいで5分も睡眠を奪われた…」