「おい!早く学校終わったんだ。お前、ちょっと付き合え」

そう言って私の手を引いて
先輩は歩き出した。

「えっ、あっ…あの…」
顔がカァーっと暑くなる。

中学時代彼氏が
いなかった私は、
男の人と手を繋ぐのなんて
幼稚園の運動会以来だ。


頭の中が混乱していると…


「お前、甘いもん…好きか?」

「…へ?」

「なんだ?その間抜けな顔は」
クククッ…っと笑う先輩…
胸の奥がキューっと
熱くなるのを感じた。

恥ずかしくて先輩の顔
見れないよー…。


「おい!」
両手で顔をグィっとされた。

先輩の顔が近い…!


「お前、甘いもん食えるか?って聞いてんだけど!」

顔が暑くなる…

私はとっさに、
はい!たべれます。
と、答えたつもりが
「は…はひっ!はへへまふ!」

「ブハッ…お前面白いな!」


そう言って先輩は
私の手をまた引いて
駅の近くのカフェまで
連れてきてくれた。