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『そりゃあ仕方ないわ。怨むなら親父を怨めしょ-ねん』
そう言ってケラケラ笑う兄貴。
片手にビールを持ってパソコンに向かう姿は親父にそっくりだ。
『まじ親父には参るよ。単身赴任赴任はいいけど、海外だぜ?しかも長期・・・危うく俺まで連れていかれそうになったしよぉ』
『だから俺がお前を引き取ってやったんでしょ-が』
まぁ、そうなんだけど・・・。
『美玲さん出てっちゃったから俺を預かるスペースが出来たから・・・だろ』
ゴフッ!!
小声で言ったつもりが兄貴に聞こえたようだ。
咳込みながら涙目で俺を睨みつけてきた。
あ、まだ好きなのか。
『まぁこれから頼むよ。瑠奈兄』
それだけ言って、自分の部屋に向かう。
兄貴がまだ何かいいたげだったけどスルーした。