『ハイハイ(笑)』
『笑わなくったっていいじゃんか~!!!』
『ごめんごめん(笑)』
まだ笑ってるしぃ~!!
それから、
由樹の家に行こうとしてる事を話して…
それから、
真吾への想いを話して…
それから、『いってらっしゃい』って言ってくれて…
それから、『いってきます』って言ったんだ。
彩は私が帰ってきたと知ってから、真吾に電話して話したんだって。
だから真吾が血相変えて帰ってくるわけだ…。
まったく~。。
『おしゃべり彩』
『彩ちゃん、心配してたよ??』
真吾は彩の事を教えてくれたけど…
そんな彩の事なんて聞かなくたって私が一番分かってるんだからっ。
『あ!!!』
『いきなりなにっ??』
思い出したっ!!!
真吾への疑問!!!
『私って…ワガママ??』
『はっ!?!?』
『だぁから~、私って、ワガママ????』
『まぁ…』
『まぁ…じゃなくって!!真吾が今まで知り合ってきた中で一番!?!?』
『………あっ!!』
真吾がやっと気づいたっ!!!
私が思い出した、こんな事を言い出した原因は…由樹から聞いた真吾が私を好きな理由。。
『由樹から…??』
目、まん丸だよ?
『他にいる??』
『…由樹のおしゃべり』
『なによ!!さっき彩の事かばってたクセに!!』
でもさ、ワガママなのは自覚してんのよ?私。
『もっかい言って♪』
『冗談は休み休み言ってくれ…』
冗談じゃないしっ!!
由樹が“ヤキモチ”をやいて…
由樹が“今はそうなりたい”と言ってくれた。
私は…テレたけど、嬉しかった。
だから、直接聞きたいのっ♪♪
『言ってよ~!!』
『ヤダっ!!!絶対ヤダ!!!』
ムカッ……
『今は思ってないんだ…だから言えないんでしょっ』
『んな事ない!!』
真吾を困らせてるのに…
即答で否定してくれた事が嬉しい♪
顔がにやけちゃう。
けど、ガマンガマン…!!
『じゃ、言えるじゃん!!』
『あーいえばこーいう…』
『かわいくなくて結構ですぅ~。どうせ世界で一番ワガママだもぉ~ん』
『う゛っ……』
勝った!!!!(笑)
『どおして私が好き??』
そしたら、真吾は少し顔を赤らめて言ってくれたんだ。
『好きなもんは好き』
は…!?!?
意味分からん…。
なによ!!!
この答えっ!!!!!
『意味分からんっ!!』
『分からんくねぇよ!!好きって想うから好きなの!!』
『理由がないなら気のせいかもしんないじゃんかっ!!』
『気のせいじゃないよ!!好きって想うのも、感じるのも、倖知にだけなんだから!!』
そんなにムキになって言われたら
テレちゃうじゃん…。
『けど、わかんないのっ』
ホント、めんどくさい女だ…私。
自惚れかもしれないけど
愛されて、大切にされてる実感はある。
けど、言葉で聞きたい時だってあるじゃんか~!!
『だぁっ!!めんどくせぇっ!!』
やっぱし…!?(泣)
『―…!!』
腕を掴まれて、力強く抱きしめられた。
『好きなんだってば…』
そう言った真吾は腕の力がさらに強くなって……
さらに小声になって…
『こんなみっともなくなるくらい好きなのは 倖知だけなんだってば…』
って…。
『離して…くれないの??』
『離さん。しばらく顔も見れん…』
伝わってくる真吾の体温が熱い…。
もしかして、
いま顔真っ赤でしょ??
あぁ………
私、今…
幸せで…
幸せで。。。
真吾との“未来”を夢見たいと想ってしまう……。
もう二度と夢などみないと思ったあの時を
今でも鮮明に覚えてるの…。
だからこそ、今の幸せな想いが…
怖い。
ねぇ、真吾??
あなたには見えてるのかな??
私たちの未来が…。
あなたの隣に、私はいますか??
笑っていますか??
みっともないくらい…って真吾は言ったけど、本当にみっともないのは
いつまでも過去に縛られる私の方だよ…。
『……由樹から聞いた事もホントだからな。倖知が離れたいって言っても離してなんかやらん』
まだ体の熱い真吾。
『あ…そう』
『そっけねぇ~』
『ゴメン』
ほら、また幸せだと想っちゃうじゃない。
――…今まで知り合った女の中でダントツ1番に、ワガママで、無駄に泣き虫で、変に強がりで、本当に可愛げのない超めんどくさいヤツだけど ……
すぐ怒ってすぐ泣くくせに、
周りを幸せにしちゃうくらい元気にすぐ笑うんだ。
そんな倖知が今まで知り合った女の中で1番離したくないって思う。誰よりも。
俺、自分自身で不思議なくらいアイツと一緒にいると独占欲の塊になるんだ…―――
由樹が教えてくれた真吾が私を好きになった理由…。
独占欲。
聞いた時、最初は信じられなかった。
だって、真吾は“信じてるから”とか言ってさ、心が広い人というか…だから寂しくなるというか…。
『じゃあ、もう少しくらい態度に出してよ!??』
また私のワガママ。
でもさ…
“手に取るような実感”が欲しいの。
もっと…
もっと…
私だけを愛して…―――。
『努力します…』
努力、って……。
努力しなきゃ態度にならない程度なんですか(泣)
『ずっと』
『よろしい』
私、偉そうっ(笑)
こんなやりとりの事ばっか考えてたら…だんだんおかしくなってきちゃった。。
幸せで…
幸せで…
でも、やっぱり不安で…。
それでも、こんな私の全てを包んでくれてる腕は…
確かにあるんだ。
世界一のワガママでいいもん。
だってやっぱり、真吾の腕は温かいんだもん。
私は…
真吾以上に独占欲の塊なんだからっ!!
ただ…この腕は…
もう離さない。。。
…で、でもさそんな腕でも、
もうそろそろ離していただきたいんですが…(笑)
『真吾~??』
『なに??』
『もうそろそろ離して??』
『離れたいんだ…?』
あのですねぇっ!!!
真吾が帰ってきて抱きしめられてからもう小一時間が経とうとしてるんですけど!!
キッチンでなにしてんのさっ!!
しかもっ
『夜ゴハンどうすんのよ~!!』
ハンバーグは食べれなかったでしょう!?
他になんか何もまだ作ってないもんっ。
作る予定だったマカロニサラダだって…まだマカロニすら茹でてないんだからっ。
お腹へったよぉぉ~。。
『なんか食べに行くか♪』
やっと離れて…
視線を合わせれた時、真吾は優しく…ちょっと照れ笑いっぽく微笑んでくれた。
『真吾のおごりね☆』
『ラーメンか牛丼??』
『焼き肉かお寿司っ♪』
『げっ』
あ…、真吾の眉間にシワ。
ねぇ、真吾??
いつか…いつかね、
私たちがシワくちゃなおじいちゃん&おばあちゃんになっても…、また私たちはこんな会話してるのかな…??
その時は、ラーメンか牛丼食べに行こう。
ちゃんと胃薬持ってさ(笑)
もちろん、真吾のおごりでね☆☆
あの時
もう一度…
もう一度だけ
神様を信じたいと思ったんだ。
もう一度だけ
未来を夢見て
あなたとの幸せを願ったんだ。。