「あぁ~~~。         
 だめやん!          
 そんなに可愛かったら理性が!」
「えぇ? 笑えって言ったくせに!」
「でもその可愛さは反則やろ!」
「うるさいなぁ。」
「でも・・・もう1回・・・。」
「・・・・ん。」

にこ!って笑ってみせた。

その瞬間・・・。

「きゃ・・・!」
「ちょっとでいいけ、こうさせて?」

私をひざの上に乗せて後ろから抱き付いてきた。

「う、ん。」
「あったかい・・・。」

そのままで時間が止まったようだった。



「やぁ!」
片手だけ私の服の中に入れて胸の上に触れた。
少しずつ下がった手が、胸全体を包んだ・・・。

「やめっ!」

真咲は何も言わない。

もう片方の手が、スカートの奥に入ってきて。
私に・・・触れた・・・。

体がビクッってなって「んっ」って声が出た。

なのに、真咲を振り払えなかった・・・。

それ以上は何もしないで私をおろした。
そして、寂しそうな顔で「ごめん」と言った。

「もう俺ヤバイんよ。  
 何かされる前に帰り?」
「え・・・。」
「さよなら。」

そう言った目には涙が溜まっていた。
もうこぼれてしまいそうなくらいに。

気づかないふりをして「ばいばい」と言った。

部屋を出て、階段を下りて、靴を履いた。
振り向いて「またよんでね♪」と叫んだ。

家を出た・・・。
――――ガチャ。



よし、これで自分と向き合える。
じっくり考えよう。
私が好きな人は誰なのか。
そして、ちゃんとケジメをつけよう。

前を向いて歩き出した。

・・・・はずなのに。