その時、ちょうどランチが運ばれてきたので、とりあえず食べる事にした。


確かに何かが解決した訳ではない。

けれど、さっきの朋香の気持ちが今は分かる。

瑠璃子は少し安心していた。


しかし、今度はまた朋香の様子がおかしい。

ドリアを食べる手が中々進まないのだ。


「朋香、どうかしたの?
具合い悪くなった?」


美穂が心配そうに覗き込んだ。

朋香は、すごく言い辛そうに、スプーンでドリアを掻き混ぜながら呟いた。


「不倫は…当人同士しか幸せになれない…
皆が幸せになるように丸く収めるなんて…
…出来やしない…」


その時、3人は思い出した。

昨日の事を。


朋香の両親は母親の不倫で離婚し、大の仲良しだった弟とも逢えない日々が続いていると、初めて打ち明けてくれた事を。

瑠璃子は改めて真っ青になった。



「瑠璃子、ごめん…
私からアドバイスしてあげられるコトは…ない…」


朋香にそんな台詞を言わせてしまい、瑠璃子は顔を曇らせた。

そしてまた1つ、自分の罪が増えた事を実感した。


「私…今夜、雄一さんと逢って話すわ。
ちゃんと結論を出してくる。」


瑠璃子は自分の罪と向き合う決心をした。


いつか来ると予想していた。

出来れば来て欲しくなかった。


だけど、そんな事を言っていられる子供ではもうない。