私はさゆを抱き締め、共に泣いた。

最初、受け持つクラスが不良の集まりだと知った時は、正直、嫌だった。

でも、それは生徒たちの心を見てなかったから。



「……姫菜、ちゃんと話を聞かせて貰うよ。みんなにも聞きたいだろから、教室で話そう」



父親は私や生徒を見て微笑む。

安心したみんなは、雄志とさゆを先頭に教室へと戻る。



「教頭先生は出張だったね。
校長先生に授業は任せて、私は倉敷先生と粟田先生を連れて行くから、先に行きなさい」



私は父親の目を見ながらに頷き、隆斗と教室へ向かう事にした。