私にプレゼントをくれた、大切な生徒が階段で見てる中、隆斗にギュッと抱き締められた。



「俺は、ちゃんとわかってる。
姫菜の気持ち、ちゃんとわかってるから…」



あの日、騙されて、仲間を助ける為に喧嘩した事を、隆斗だけが信じてくれたよね――…。



「……姫菜、職員室に入りなさい。悪いが隆斗君、生徒たちみんなを、教室に戻してくれるか?」



父親が職員室から出て来た。

でも、私は戻るつもりはない。



「…理事長、先生の父親なんでしょ?父親なら、何で子供を信じないの?」



私が父親に背を向けたままで居ると、さゆが父親に近付いて言った。