私は溢れた涙を拭い、父親に灰皿を投げ付けた。



「何をするんだっ!!」



「お父さんはいつだってそうだよ。私の話も聞かず、世間体だけを気にして生きてる!私はあの日も今日も、大切な宝モノを傷付けられたから怒ってるの…っ…!!」



―――父親は何も知らない。

私が話さなかったからじゃない。

父親が聞いてくれなかったんだ。

“謝りなさい”だけを繰り返す。



「……お父さんの子供なんかに、
生まれたくなかった――ッ!!」



私は最低な一言を突き付けて、職員室を飛び出した。

ーーグイッ

しかし……廊下に立っていた隆斗に腕を掴まれた。