「何をしてるの?」



私は出席簿を教卓に置き、雄志と一番、仲良かった筈の男子、永見舜ーナガミシュンーに近付いた。



「お前、どんな手を使って雄志とさゆと、仲良くなったんだよ」



「“どんな手”とは?教師と生徒が仲良くて、いけないの?」



私は辺りを見渡した。

男子とさゆとあまり絡みのない女子が私を見てる。

さゆと雄志は、私を心配そうな視線を送って来る。



「…私とさゆたちが親睦を深めたら怒って、友情は浅はかなのね。
さ、席に座りなさい。朝のHRを始めるわよ」



私は呆れて話す気にならず、教卓へと戻った。