「何が面白かった?」



「何したかわかってんのッ!?」



「私が先に質問したの。常識まないガキが、誰かを助けようとしたヤツの叫びを笑う必要はねぇんだよ」



「……」



唇を噛み締めた石田から離れ、私は息を吐き捨てながら、1年生の前に立った。



「イジメについて、何か感じたり、思う事はありますか?」



「最低だよな!」



「けど、誰も溜まってたストレスとか、聞いてくれなかったんじゃない?」



「先生が言ったように、友達が居なかったからかな?」



「だからって。常識は知るべきだろ」



1年生の進む討論に、灰田先生が手を叩いて止めた。