でも、散々、迷惑を掛けた私に、菊田さんは警察生命を関わるかも知れない、内部情報を教えてくれただけあって、胸に秘めるしかなかった。

隆斗にさえ、言えない――…。

マンションで待っててくれた舜を見送り、私は膝を抱えるしかなかった。

今の幸せを壊したくない…
あの日を繰り返すのも嫌…。

やり場のない恐怖は増すばかりで、隆斗や遊びに来てくれる生徒たちに上手く笑えないまま、時間だけは過ぎる。

私…どうしたら良いんだろう。

私が次に失くすのは、幸せ?

楽しくなった教師生活だろうか?

それとも……
両方なのだろうか―――……。