私は気にせず、車へと足を運ぶ。



「ほら、あの人が働く学校の生徒さんよ――…」



「そうなの?まぁ、一体、どんな教育をしてるのかしらね…」



「本当よ。生徒が覚醒剤の密売なんかしてるのに、よく出歩けるわね――…」



しかし――私の足が止まった。

“覚醒剤の密売”って、何の話?

私が噂の真意を聞こうと振り返ると、おばさんたちは去って行った。

私は携帯を取り出し、隆斗にメールをした。

《知らないけど。デマだデマ。》

でも、隆斗は噂を耳にしてないらしい。

私は《聞き流しとく。》と、返事をし、スーパーへと向かった。