不機嫌な隆斗を宥めながら、私は雄志とE組のクラス委員の薊ーアザミーさんの進行で進む役割決めを見守る。

雄志をチラリと見る度に赤くなる薊さんの表情に、さゆまでが不機嫌。

私は右手でさゆを、左手で隆斗の頭を撫でる。

しかし、段々、腕が疲れて来た。

夜か明日には筋肉痛だよ、私。



「隆斗はムキムキな女の子は好き?」



「好きではないが、お前は握力40だろ。今更だな」



…何で私の握力を知ってる!!;;



「わ、私、握力36になったんだよっ!!?」



私は高校時代の握力を否定する為、隆斗の手を握りながら言う。