駅から走る。
行き先は自分の家では無く、「つつじ公園」
もしかしたら…
また可能性を信じたかった。
「つつじ公園」の入口に到着すると、身体はヘトヘトだった。
それでも公園の中に入ってズンズン進む。
ブランコに向かうと、彼はブランコに座って下を向いていた。
やっぱり居た。
「優也…」
優也の前に立つと、優也はバッと顔を上げて私を見た。
と…次の瞬間、ブランコから荒く立ち上がると、
私の腕を引き寄せてギュッと抱きしめる。
抱きしめる力が少し震えている。
「行ってきたよ。豊に会って…それで、さよならしてきた」
「………良かった…音和が帰って来なかったらどうしようかと思った…」
優也は、私が豊を追って逝ってしまうのを恐れてたようだ。