その内子供が大人になって、子育てから解放されたら、音和と俺でいっぱい旅行に行って、
「人生楽しかったね」って言いながら、子供や孫に見守られて死ぬんだ。
それが俺の夢だった。
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私は紙の一部が丸くシワになってるのに気付いた。
水で濡れて乾かしたみたいな……
これは……豊の涙?
豊が泣いている。
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死にたくないよ…
音和と一緒に生きたいよ…
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これは、豊の本音…
そうだよ…死を予感してても、死をそんなに簡単に受け入れられる訳無い。
豊は豊なりに格闘してて、それでも自分より残される私を1番に考えた。
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でも、これが俺の寿命だから。
多分ね、音和に会わなかったらとっくに死んでた。
自分の身体なんてどうでも良かったんだ。
音和に会った時から、引かれて……もっと生きたいと思えた。
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