そして、豊さんは準備周到で他界した……
優也side
―――
胸が詰まりそうだった。
ここで会った豊は、私の知らないところで、色々な事をしていた。
豊が何もやってなかったら……私は今も壊れそうになってたと思う……
「写真は見せて貰ってたから、入学の日教室で、直ぐに音和を見つけた…
でも、写真の笑顔じゃなくて、固い笑顔だった…満開の桜じゃなかった…
最初は豊さんから頼まれてたから見たけど、
そうじゃなくて音和から目を離せないようになってた。音和は今にも泣きそうでほっとけなかった。
一緒に居て、段々に固い顔から、元の顔に戻って来てる音和を見てたら、
嬉しくて……
俺が豊さん以外で興味を持つとは思わなかった…
豊さんへの尊敬とはまた違って、
一緒に居たいとか愛しいって感情が音和に対して抱いて来た…」