「優也、俺はもう長くない…」


「え…豊…さん?」


「元々身体が弱かったんだ…でも、最近ぐっと調子が悪くなって、音和とずっと一緒にいれないかもしれない」



いつもの優しい顔が、辛そうな顔になりながら話をした豊さん。


「音…和…には言った?」


豊さんは横に首を振る。



「音和にはずっと笑顔で居てほしいから、だから言わない」



そう言って、周りの人に協力してもらいながら、豊さんは自分の死後の準備をし始めた。


普通、自分の死なんていつかわからなくて、準備なんてしないのに、豊さんは勘の鋭くて、誰よりも音和が大事だから。



俺にリボンのネックレスの意味を教えてくれ、白い封筒を渡した。



もしも音和が泣きそうになったら…
と、屋上からのピンク色の景色、豊さんが音和に言ってた言葉を教えてくれた。

本当に壊れそうなら…俺が堪えられなくなったら…封筒を渡す様に言われた。