男の子が居たはずのブランコの下の土には、
「よかったね」
とぶっきら棒に書かれた字が残されていた。
あの子は誰だったのか解らない。
それから公園へ行っても会う事は無かった。
ぶっきら棒で、ボーッとした子だったけど、
私が一人で居るのを見て、心配して話を聞いてくれた。優しい子だった。
共有したのは短い時間だったから芽生えなかったけど、もしもう少し一緒の時間を共有してたら、
私はその子を好きになってただろう………
―――
私は話終わった後に考える………
ぶっきら棒…ボーッとした表情…あの優しさ…
この公園に一人で来たなら、この近所の子。
「もしかして……あれ、優也?」
まさかと思いながらも、可能性を信じて言う。
私が、あの男の子が優也であって欲しいと思った…